形成外科

皮膚腫瘍・ほくろ

皮膚腫瘍とはいわゆるおできのことです。これを切除するには、形成外科的縫合法を用いて、極力傷跡が目立たないようにします。良性皮膚・皮下腫瘍を対象としておりますが、良悪性がわからないものに対しても診断、治療を行なっております。 皮膚腫瘍は早めに切除することが望ましいのですが、切除後の傷跡が美しく仕上がることが大切でしょう。さらに、切除した皮膚腫瘍の病理学的確定診断をおこなうことも必要欠くべからざることです。皮膚腫瘍切除では基本的に健康保険診療で取り扱います。

原因

外傷が原因となってできることもありますが、多くは不明です。一部では、毛根を構成する組織の一部である毛漏斗が原因であるとも考えられています。毛包上部の毛漏斗部(もうろうとぶ)と呼ばれる毛穴の出口付近の皮膚がめくりかえって袋ができてしまったというものです。また毛穴のない手の平や足の裏に粉瘤ができることもあります。これは、小さな傷によって皮膚の一部が皮膚の下にめくり込まれることによって袋状のものができるとされており、外傷性表皮嚢腫と呼ばれます。

治療

手術の基本は切除術になります。紡錘形に切り、丁寧に縫合していきます。手術用拡大鏡を使用した真皮縫合と細かな表皮縫合を行なうことで、細い線状の目立ちにくい傷痕にします。必要に応じ筋肉や脂肪を縫合します。続いて、真皮といわれる皮下を縫合します。ここまでは、PDSといわれる、溶解糸を使用することが多いのです。その後、表皮を形成外科存問の細いナイロン糸で、ぴたりと細い線のようになるまで縫合を行います。

皮膚腫瘍・ほくろ治療Q&A
Q 手術は痛いですか?
A 手術前に局部麻酔の注射を行います。注射の痛みはありますが、手術中は痛みはありません。
Q 傷痕は残りますか?
A 切って縫うという操作を行うため必ず一本の線として傷跡は残ります。しかし皮膚のシワのラインに沿ってなるべく目立ちにくくなるような縫合を行います。
Q 手術後の流れについて教えてください。
A 手術当日からシャワー、入浴は可能です。顔面や頭部の場合はガーゼ保護を行わないことも可能です。術後は特に異常を感じることが無ければ特に毎日通院する必要はありません。その後は部位、場所に応じて術後5日目若しくは7日目に抜糸を行います。

あざ

アザには種々のものがありますが、その多くは生命を脅かすものではありません。しかしアザに限らず多くの皮膚病は目に見えるため、悩みの原因となり、特にそれが顔面などの露出部に生じていると、深刻な精神的苦痛を与えるものです。従来このようなアザに対しては有効な治療法がなく、手術療法や化粧でごまかすなどの方法がとられてきました。勿論手術療法では、手術による傷跡が残ってしまい、必ずしも満足のいく結果が得られていません。しかし、最近は新しいレーザー装置が開発され、アザのうちいくつかは治療が可能となりました。ただし未だに有効な治療法がないアザも多く存在します。またアザには自然に治るものもあります。

原因

アザの多くは生まれつきですが、中には出生後に発生する場合や、もしくはそれ以降、成人してから生じる場合もあります。生まれつきの場合、また出生後に発生する場合(遅発性母斑)のいずれも、母親の胎内にいる「胎生期」に、体の一部が突然異変を起こしてできるものだと考えられています。しかし、その原因はまだ明らかになっていません。アザの種類を大きく分けると、青アザ・黒アザ・茶アザ・赤アザ・白アザに分類されます。その他にも、表皮母斑、脂腺母斑などがあります。

治療
大きく分けて、レーザー治療、手術による治療、レーザー治療と手術を組み合わせた複合治療の、3つの治療方法があります。

レーザー治療では、通常複数回の治療が必要なため、期間が長くかかるのが短所です。長所は、治療後の皮膚の状態が極めて優れていること、きれいに跡を残さずに取りたいという患者さまには最適の治療方法です。

手術によって切除縫合する場合、 2~3センチの小さな黒アザでしたら1回の手術で取れるため、短期間で治療を終えることができます。しかし、傷跡が残ってしまうという欠点があり、大きな黒アザでは複数回に分けて手術をしなければならないため、やはり長期間かかることになります。

手術+レーザーの複合治療では、比較的大きな黒アザでも、短期間にできるだけキレイに取ることができるためこの方法を行う場合もあります。

あざ診療Q&A
Q 太田母斑(青黒いアザ)をレーザーで消すにはどの位の期間がかかりますか?
A 1回ではなかなか大きな効果が出ず、繰り返し行うことで改善されていきます。そして範囲や濃さ、どこまで薄くしたかによって、施術回数や期間は異なります。一般的には2~3ヶ月間隔で、5~6回位(もしくはそれ以上)行う事が多いため、1年~2年位かかる場合もあります。
Q レーザー治療を行った後のお肌はどのような状態になりますか?
A 軽い火傷を負ったように、少しジュクジュクした状態になります。術後しばらくは赤みやむくみが出ることもあります。通常は術後1週間程度で患部が乾いて膜(かさぶた)が張り、このかさぶたが剥がれるとなめらかな皮膚が現われます。かさぶたは無理に剥がさず、自然に剥がれるまで刺激を与えないようにすることが大切です。
Q 治療後、すぐに洗顔やメイクはできますか?
A 洗顔や入浴は直後からOKですが、患部はゴシゴシ擦らずに優しく洗い、お湯は避けて洗ってください。メイクは、照射部位以外のお肌なら大丈夫です。照射部位は、カサブタになった後でしたら軽くファンデーションする事ができます。

外傷・熱傷

ガラスで指を切ってしまいパックリ割れている、転んで顔に擦り傷をおっている。こんな時は形成外科を受診して下さい。形成外科医は皮膚の外傷を得意としております。特にキズのその後を左右する顔のケガはスペシャリストの形成外科にお任せ下さい。対応できる外傷のレベルはありますが、日常の仕事で起こった外傷は対応可能だと思います。熱傷は、熱で皮膚組織が破壊され、本来もっているべき防御機能が失われてしまった状態のことです。熱傷の程度は、皮膚に受けた熱の温度と熱を受けた時間によって決まり、高温でも瞬間的に受けた熱は比較的浅い傷害にとどまりますが、低温でも長い時間受け続けると深い傷害になります。

原因

俗にいうケガ(怪我)は、外力によって受けた組織または臓器の損傷の総称です。尖った異物、いわゆる棘(トゲ)が皮膚に刺さる、転倒して皮膚を擦りむく、机や階段の角にぶつかるなどによって、皮膚が裂ける、ナイフまたは包丁などにより、誤って皮膚を切ってしまう…ポットの湯がかかる、ストーブやアイロンに触る、炊飯器に立ちのぼる蒸気に手を出す…などが挙げられます。

治療

キズ跡の修正術は、残念ながら形成外科や美容外科の技術で行っても消しゴムで消したようには出来ません。形成外科的技術で、キズの幅を狭くし、凹凸を軽減してより目立ちにくくしていくことで修正を行います。カッターなどによる自傷痕のように元々キズの幅が狭いキズ跡を消し去るのは困難な場合があります。
熱傷は、1度熱傷のような軽症であれば、無治療またはステロイド外用薬のみの使用で軽快します。2度熱傷の場合は、水疱部を消毒のうえ穿刺(せんし)して、なかにたまった液体を抜きますが、水疱の蓋は取り除きません。水疱の蓋(ふた)が取れてしまった場合は、ブタの乾燥皮膚やハイドロコロイドなどの被覆材を貼付(ちょうふ)したり、創部にトラフェルミン(創傷治療促進薬)を使用する場合もあり

外傷・熱傷Q&A
Q 外傷・熱傷の治療に医療保険は適応されますか?
A 皮膚・軟部組織腫瘍の摘出手術、外傷の治療、眼瞼下垂の手術、先天性のあざに対するレーザー治療などは保険が適用されます。

巻き爪

足指にたくさんの力が加わったり、あわない靴を履きつづけていることで、足の爪に負担をかけてしまうことから、巻き爪や陥入爪が起こります。原因となった靴や、運動・歩き方などが改善されないと、再発することもありますが、当院では巻き爪の治療も行っています。

原因

足に合っていない靴で爪の周囲が圧迫され続けることが原因です。女性に多く見られ、高めのヒールや、先端が極端に尖ったパンプスなどを履く機会が多い場合は特に注意が必要です。また、立ち仕事中心の方などは、足に負担をかける時間も長くなり、巻き爪になりやすいです。

治療

コットンパッキング、ガーゼ挿入法、チューブ挿入法、フェノール法等で治療します。こちらの方法は保険がききます。巻き爪を合併しているときは、ワイヤー法で処置を行います。

ワイヤー法による爪矯正

超弾性ワイヤー(形状記憶合金)を少し伸ばした爪に装着し、復元力を利用して巻き爪を治す方法です。爪の先端に穴をあけてワイヤーを刺入します。1~2ヵ月後に爪を切り治癒していなければ再度新しいワイヤーを刺入し、矯正が完了するまで繰り返し行います。痛み等は全くなく、安全な方法です。保険適用はありません。費用は電話にて確認ください。

巻き爪治療Q&A
Q 手術を受ける際、靴に関して気を付けることはありますか?
A ゆったりめのサンダルを持参してください。
Q 歩いて帰ることができるのでしょうか?
A 両足の手術を行った場合でも、歩行は可能です。入院をすることはありません。
Q 入浴はできるのでしょうか?
A 手術後、シャワーで傷を洗い流すようにしてもらっています。手術部位が湯船につかることはお勧めしておりません。

眼瞼下垂

眼瞼下垂は主に先天性眼瞼下垂(生まれつきの眼瞼下垂)、後天性眼瞼下垂(生まれた時は眼瞼下垂はなかったがその後まぶたが下がってきた状態)、偽眼瞼下垂(一見眼瞼下垂のようであるがそうではない状態)に分類されます。原因や程度により治療法や治療効果などが異なります。最も頻度が高いのは後天性の眼瞼下垂です。

原因
先天性眼瞼下垂

まぶたを上げ下げする筋肉である上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)自体の発達やそれを動かす神経の発達異常によるものと考えられていて、生まれつきまぶたが下がっている状態です。約80%が片側性です。ほとんどの場合、視機能の障害を及ぼすことはないでしょう。

後天性眼瞼下垂

もともとは普通にまぶたが開いていた人が少しずつまたは急にまぶたが下がってきた状態です。ほとんどの場合は数年間かけて少しずつ下がってくる腱膜性(けんまくせい)の眼瞼下垂です。腱膜とはまぶたを上げ下げする筋肉(上眼瞼挙筋)の末端部の膜のことであり、これが伸びたりゆるんでしまうことによる眼瞼下垂を腱膜性眼瞼下垂といいます。

偽眼瞼下垂

本当は眼瞼下垂ではない状態で、眉毛下垂や眼瞼痙攣、眼瞼皮膚弛緩症、眼球陥凹、小眼球症などにより、一見眼瞼下垂のようにみえてしまう状態です。

治療

先天性眼瞼下垂や腱膜性眼瞼下垂に対してはまぶたを上げる手術を行います。脳梗塞や重症筋無力症のように他の原因から二次的に眼瞼下垂が生じている場合はもともとの疾患の治療を行います。これらの眼瞼下垂は自然に回復してくることも多いのでそのまま様子をみて6~12ヶ月経過しても改善しない場合はまぶたを上げる手術を行います。

眼瞼下垂治療Q&A
Q 傷は残りますか?
A 傷自体は残りますが、殆ど目立なくなります。傷跡の赤みがとれるのに6ヶ~12ヶ月程度必要です。ただし、二重瞼の線で切開した場合、傷は二重に隠れるので目を開けている状態では傷は見えません。
Q 腫れる期間はどの位ですか?
A 術後1週間で抜糸になりますが、2週間くらいは腫れが強くでています。大まかな腫れは2週間程度でひきますが、本当の意味での腫れが落ち着くのは2~3ヶ月程度かかります。
Q 手術後に入浴や運動は大丈夫ですか?
A シャワー浴は当日から可能です。まぶたは腫れやすい部位なので当日より翌日の方が腫れが強くでますので、入浴は3~4日目からの方が良いでしょう。運動に関しては腫れが治まってからにしてください。
ページ上部へ戻る